農作業学

農作業学日本農作業学会編

  1965年における日本農作業研究会の誕生を起点とすると、日本農作業学会は今年で創立34周年を迎えます。残念ながら、これまでは本学会が責任をもって編纂した農作業学の教科書がありませんでした。ここに至り、永年の懸案となっていました本学会刊行物「農作業学」がようやくできあがりました。名実ともに本学会が直接かかわる刊行物は、ハンドブック的性格の強い「農作業便覧」を研究会の時代に世に送り出して以来のことです。

 「農作業学」は、農作業の学問や技術開発などに携わる第一線の学会員35名が最新のデータや知見に基づいて鋭意執筆したもので、現段階において農作業学に関するもっとも優れた内容であると自負しています。関係者のご助力により、学会誌の通巻100号と同時に本書を刊行できることは記念すべきことと考えます。

 本書の対象は、大学学部の3,4年生や大学院生の教科書として、また広く技術者や行政関係者などにも使っていただけるように企画したつもりです。内容の概略は以下に示すように、総ページ数375頁で、農作業学を構成するきわめて広い範囲をカバーしています。会員特価などの詳細については、通巻100号誌上でお知らせしています。

(「発刊によせて」  学術図書刊行委員長 坂井 直樹)

 

発行:農林統計協会 別ウィンドウ
A5・374頁・(平成11(1999)年.9月)・本体価格3,800円
ISBN4-541-02521-3
ISBN978-4-541-02521-0

 

内 容 (執筆者名)

  • 巻頭言 (遠藤 織太郎)
  • 第1章 農作業学の形成とその背景 (角田 公正)
    • 1. 1 近代農学と農作業研究
    • 1. 2 農業「近代化」と農作業研究会の発足
    • 1. 3 農作業研究会の20年
    • 1. 4 日本農作業学会としての歩み
    • 1. 5 今後の発展に寄せて
  • 第2章 農作業学の概念 (遠藤 織太郎)
    • 2. 1 農業生産と農作業
    • 2. 2 農作業学
    • 2. 3 農業生産システムと農作業システム
    • 2. 4 引用文献
  • 第3章 農作業学の研究対象
    • 3. 1 農業におけるエネルギーの流れ (坂井 直樹)
    • 3. 2 農業における物質循環 (塩谷 哲夫)
    • 3. 3 農作業の効率化技術と評価 (中野 和弘)
    • 3. 4 圃場の大区画化と作業性 (矢代 幹雄)
    • 3. 5 労働科学とエルゴノミクス (石川 文武・小林 恭)
    • 3. 6 モデリングとシミュレーション (瀧川 具弘)
    • 3. 7 経営の効率性と評価 (永江 弘康)
    • 3. 8 農作業環境にかかわる計測 (笹尾 彰)
    • 3. 9 農業情報の利用と管理 (米川 智司)
    • 3.10 引用文献
  • 第4章 作業主体と手段【総論】
    • 4. 1 畜力と農作業 (下田 博之)
    • 4. 2 化石エネルギー利用と農作業 (端 俊一)
    • 4. 3 自然エネルギーと農作業 (世良田 和寛)
    • 4. 4 引用文献
  • 第5章 作業関連要因と農作業【総論】
    • 5. 1 土壌 (森泉 昭治)
    • 5. 2 品種 (林 久喜)
    • 5. 3 気候 (金谷 豊)
    • 5. 4 施設 (鶴崎 孝)
    • 5. 5 立地 (中村 宏)
    • 5. 6 引用文献
  • 第6章 おもな農作業体系【各論】
    • 6. 1 水田作 (鹿子嶋 力)
    • 6. 2 畑作 (伊藤 道秋)
    • 6. 3 野菜 (有馬 博)
    • 6. 4 果樹 (八巻 良和)
    • 6. 5 花卉 (伊藤 憲弘)
    • 6. 6 畜産・酪農 (加茂 幹男)
    • 6. 7 工芸作物 (林 久喜)
    • 6. 8 引用文献
  • 第7章 おもな作業工程【各論】
    • 7. 1 耕うん (唐橋 需)
    • 7. 2 播種・移植 (大塚 寛治)
    • 7. 3 施肥 (三枝 正彦)
    • 7. 4 病害虫防除 (飯本 光雄)
    • 7. 5 雑草防除 (佐合 隆一)
    • 7. 6 収穫調製 (佐藤 純一)
    • 7. 7 引用文献
  • 第8章 農業経営形態と農作業 (小野 敏通・永江 弘康)
    • 8. 1 農業経営における農作業の位置付け
    • 8. 2 水稲単作個別経営体
    • 8. 3 露地野菜作個別経営体
  • 第9章 環境保全と農作業
    • 9. 1 総論 (坂井 直樹)
    • 9. 2 個別技術 (雁野 勝宣)
    • 9. 3 引用文献
  • 第10章 農作業学の役割と将来
    • 10.1 機械化の視点から (高井 宗広)
    • 10.2 省資源・省エネルギ-の視点から (飯本 光雄)
    • 10.3 農業生産・農村生活の視点から (塩谷 哲夫)
    • 10. 4 引用文献
  • 執筆者情報
  • 索引

 

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