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農作業研究 第55巻 2020年発行

第55巻第4号(通巻第185号) 2020年12月

  • 会告
    • 2021年度春季大会(第57回通常総会・第56回講演会)開催について
    • 優秀学生賞の募集
  • カレンダー
  • 研究報文
    • 知的障害者が自立的に従事するための素工程分解農法―知的障害特別支援学校における授業実践を通して―(佐竹寛之他)
  • 研究論文
    • ミニトマトのへたの有無が収穫作業時間に及ぼす影響(藤﨑涼香他)
    • ドリップ・ファーティゲイションによる窒素施肥の違いがスイートコーンの収量に及ぼす影響(英文)(竹下正哲他)
  • 研究報文
    • 沖縄県南北大東島におけるサトウキビの収穫・運搬作業体系のダウンサイジン グに関する研究―持続的なサトウキビ生産を可能とする有効な収穫・運搬作業 体系モデル―(赤地徹他)
    • 沖縄県南北大東島におけるサトウキビの収穫・運搬作業体系のダウンサイジングに関する研究―土壌圧密がサトウキビの初期生育や根群の発達に及ぼす影響―(赤地徹他)
  • 解説
    • 花き類の移植と収穫作業での作業能率と作業姿勢について(片平光彦)
    • 畜産・飼料作に関する農作業データ(関口建二)
  • 書評
    • 「改訂 土壌学概論」 犬伏和之,白鳥豊編(村上敏文)
  • 本会記事
    • 2019年度会務監査報告
    • 2020年度第2回日本農作業学会理事会議事録
    • 2020年度第3回日本農作業学会理事会議事録
  • 会員動静
  • 農作業研究 第55巻 総目次
  • 編集後記

第55巻第3号(通巻第184号) 2020年9月

  • 会告
    • 日本農学賞候補者の推薦受付について
    • 日本農業工学会賞候補者の推薦受付について
    • 2021年度春季大会(第57回通常総会・第56回講演会)開催について
  • カレンダー
  • 研究論文
    • ウンシュウミカン‘石地’主幹形マルチ栽培の栽植後11年間の収量と果実形質(川﨑陽一郎他)
    • 草刈りロボットの活用によるナシ園の省力化について(英文)(ザカリア ホセイン アマハド他)
  • 研究報文
    • 急傾斜地法面に対応した小型草刈ロボットの開発(菊地麗他)
  • 解説
    • GNSS,ドライブレコーダを活用した農作業データの収集(鹿内健志他)
    • 低コストオープンソースハードウェアを用いたスマート農業推進の提言(岡山毅)
    • 農業機械作業の計測・分析-ロボット農業機械の場合も含めて-(行本修)
  • 受賞者の声
    • 2020年度学術賞「九州・沖縄地域における圃場の土壌物理性解析に基づく土地利用型作物栽培の省力・低コスト化技術の研究」(深見公一郎)
    • 2020年度学術奨励賞「暖地における加工用ホウレンソウ刈取再生栽培法の開発」(鈴木崇之)
    • 2020年度優秀地域貢献賞「長野県の野菜栽培における機械化作業技術の開発と生産地への普及」(鈴木尚俊)
    • 故米村純一先生を偲ぶ(東城清秀)
    • 米村純一先生の思い出(田島淳)
  • 本会記事
    • 2020年度第1回日本農作業学会理事会議事録
  • 前号の訂正とお詫び
  • 訃報
  • 会員動静
  • 編集後記

第55巻第2号(通巻第183号) 2020年6月

  • 会告
    • 2021~2022 年度 評議員選挙について
    • 2020年度 秋季大会の開催について
    • 2021年度 春季大会(第57回通常総会・第56回講演会)開催について
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について(再掲)
  • カレンダー
  • 研究論文
    • 東北地域のタマネギ春まき直播栽培における畝溝播種法の効果(松尾健太郎他)
  • 研究報文
    • 中山間地域におけるマルチコプタによる防除作業の作業能率分析(孫 雯莉他)
    • 農作業時間の最頻値としてのコア中央値の考案(平泉光一)
  • 解説
    • 携帯端末を利用した効率的な農作業データの収集(松尾健太郎)
  • 学会賞受賞者の受賞講演梗概
  • 第56回講演会・講演要旨(2020年3月)
  • 本会記事
    • 2020年度第5回理事会議事録
    • 2020年度日本農作業学会評議員会について
    • 2020年度日本農作業学会総会について
    • 2020年度総会議事録
    • 総会資料(事業報告・会計報告・事業計画・会計予算)
  • 会員動静
  • 編集後記

第55巻第1号(通巻第182号) 2020年3月

  • 会告
    • 2020年度春季大会の中止と講演の取り扱い,並びに評議員会および総会のメール審議について(通知)
    • 農作業学会2020年度春季大会(第55回講演会)での電子メールによる意見交換について
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について
    • 2020年度秋季大会の開催について(予定)
  • カレンダー
  • 本会記事Ⅰ
    • 2019年度優秀地域貢献賞選考結果について
    • 2020年度学術賞選考結果について
    • 2020年度功績賞選考結果について
  • 研究論文
    • マサ土の塩類集積時における電気伝導度測定法とトマト生育との関係(富井春幸・上野秀人・当真要)
    • 黒ボク土,ジャーガル,マサ土におけるNaClの化学的挙動が電気伝導度とトマト生育に与える影響(富井春幸・上野秀人・当真要)
    • 日本海側水田転換ほ場での土壌物理性の変化と露地野菜の機械化作業体系(佐藤麻衣・田邊大・進藤勇人・中川進平・齋藤雅憲・片平光彦)
  • 研究報文
    • 南関東におけるヘアリーベッチ導入が飼料用トウモロコシのリン吸収,生育・収量に及ぼす影響(肥後昌男・郡司賢人・卯木崇光・坂本実由季・立脇祐哉・磯部勝孝)
  • 資料
    • アスパラガスの早期定植に適する植え穴の形状(田口巧・加藤綾夏・元木悟)
  • 本会記事Ⅱ
    • 会務報告 第4回理事会議事録
    • 会員動静・賛助会員名簿
    • 2020年度春季大会第56回通常総会・第55回講演会プログラム
  • 編集後記

第54巻 2019年(平成31(令和元)年)発行

第54巻第4号(通巻第181号) 令和元年12月

  • 巻頭言
    • 新たな学会体制の時代における学会員の貢献 (林 久喜)
  • 会告
    • 2020年度春季大会(第56回通常総会・第55回講演会)開催について
  • カレンダー
  • 総説
    • 暖地二毛作体系に対応した乾田直播技術(深見公一郎)
  • 研究論文
    • 早播の秋播性小麦における高収量の集約的生産体系(英文)(谷尾昌彦・渡邊和洋・中園江・内野彰・水本晃那)
  • 研究報文
    • 育苗培土への有機質肥料の混和後静置期間が水稲苗生育と培土中無機態窒素に及ぼす影響~栃木県の黒ボク土地域における有機育苗技術の事例~(平井英明・朝妻英治・星野幸一・田中治夫・高橋行継)
    • 乗用管理機搭載型ブームスプレーヤ用ブーム変位低減装置の開発と薬液付着程度の検証(水上智道・吉田隆延・加藤仁・竹内博昭・関正裕・宮原佳彦
  • 本会記事
    • 2019度第3回常任幹事会議事録
  • 総目次
    • 農作業研究 第54巻 総目次
  • 編集後記

第54巻第3号(通巻第180号) 令和元年9月

  • 巻頭言
    • 農作業のロボット化とは~今こそ発想の転換を~ (田島 淳)
  • 研究論文
    • レンコン浅床栽培におけるボール田面への浮揚がハス生育とレンコン収量に与える効果 (溝渕佐織・当真 要・上野秀人)
  • 研究報文
    • ドリップ灌漑およびドリップ・ファーティゲイションを用いたスイートコーン栽培における増収効果および多本取り (竹下正哲・中西一弘・高橋丈博・蓑原 隆・前山利幸・日比哲也・戸祭 克・益満ひろみ・後藤 元)
    • 放射性セシウム吸収抑制対策を実施した福島県水田土壌の交換性カリ含量の変動とその土壌要因 (中山秀貴・佐藤翔平・鈴木芳成・根本文宏)
    • ロボットトラクタの協調作業時におけるトラクタオペレータの視点解析 (稲野一郎・加藤弘樹・藤本 与・佐藤禎稔・岸本 正)
    • 「草刈り作業のスマート化から中山間地域農業の将来を考える」に参加して (関 浩一)
    • 2019年度農作業学会秋季大会に参加して (櫻井俊輔)
  • 大会報告
    • 2019年度秋季大会報告
  • 本会記事

第54巻第2号(通巻第179号) 令和元年6月

  • 巻頭言
    • 学会長挨拶 (小松﨑将一)
  • 会告
    • 日本農作業学会2019年度~2020年度組織について
    • 2019年度 秋季大会の開催について
      シンポジウム-「草刈り作業のスマート化から中山間地域農業の将来を考える」
    • 2020年度 春季大会(第56回通常総会・第55回講演会)開催について
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 2019年度春季大会における優秀学生賞の選考結果について
  • カレンダー
  • 総 説
    • 鳥害の現状と最近の対策 (山口恭弘)
  • 研究論文
    • 関東南部における1条及び2条植え栽培が飼料用トウモロコシの生育・収量に及ぼす影響 (肥後昌男・鮎川一樹・小嶋 巧・埴生周作・高橋祐一・浅井玲花・立脇祐哉・磯部勝孝)
  • 研究報文
    • 沖縄本島南部地域におけるGPSと車載カメラを用いた小型サトウキビ収穫機の作業分析とその利用可能性 (鹿内健志・世嘉良康太・官 森林)
    • 灌漑水流量変動に対応した水稲用流入施肥装置 (森 拓也・安田丈洋・重田一人)
    • 高専と農業~平成31年度春季大会に参加して~ (飯田賢一)
    • 農業における技能をどう考えるべきか? (佐藤忠恭)
  • 第54回講演会・講演要旨(2019年3月)
  • 大会報告
    • 2019年度春季大会・テーマセッションの記録
  • 本会記事
    • 2019年度第1回理事会議事録
    • 2019年度評議員会議事録
    • 2019年度第55回総会議事録
    • 会員動静
    • 宮崎昌宏会員が日本農業工学会賞2019を受賞
    • 学会誌掲載記事正誤表
    • 賛助会員名簿
  • 編集後記

第54巻第1号(通巻第178号) 平成31年3月

  • 会告
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について
    • 2019年度 秋季大会の開催について(予定) シンポジウム-「草刈り作業のスマート化から中山間地域農業の将来を考える(仮題)」
  • カレンダー
  • 本会記事Ⅰ
    • 2018年度優秀地域貢献賞の選考結果について
    • 2019年度日本農作業学会学術賞選考結果について
    • 2019年度日本農作業学会功績賞選考結果について
  • 研究論文
    • ペレットボイラを利用したアスパラガス伏せ込み生産におけるCO2排出量およびコストの解析【英文】 (曾傑・熊野貴宏・藤井賢彦・山形定・上出光志・荒木肇)
    • トマト育苗場における温湯散布―うどんこ病に対する予防効果とその機作―【英文】 (ヌル アクバル アロファトゥラ・アニ ウィディアストゥティ・ユフィタ ドゥイ チンタ・小林智之・七夕小百合・佐藤達雄)
  • 研究報文
    • Lpノルム推定による農業生産指標の最頻値計算法 (平泉光一)
    • 小型汎用コンバインによる超多収水稲品種の収穫作業に関する研究 (加藤仁・梅田直円・嶋津光辰・関正裕・山本亮・大野智史・木村敦)
  • 論説
    • 農作業の行方 (田島淳)
  • 大会報告
    • 平成30年度 秋季大会報告
  • 本会記事Ⅱ
    • 平成30年度第3回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 賛助会員名簿
  • 第55回通常総会・第54回講演会プログラム
  • 編集後記

第53巻 2018年(平成30年)発行

第53巻第4号(通巻第177号) 平成30年12月

  • 会告
    • 2019年度 春季大会(第55回通常総会・第54回講演会)開催について
    • 学生会員および指導教員の方へ -春季大会での『優秀学生賞』について
  • カレンダー
  • 巻頭言
    • 支部再編にあたって (樋口泰浩)
  • 研究論文
    • ワイヤレス3軸加速度計による精神障がい者と健常者の園芸作業の動作比較【英文】 (ハニン サニ デビ・小松﨑将一・山川百合子・高橋弘美・柴沼沙織・安江健・岡山毅・豊田淳)
  • 研究報文
    • 乳牛との接触による事故の調査・分析と対策の提案 (志藤博克・積栄・岡田俊輔・高橋圭二・舘山則義・馬渕彰二)
  • 資料
    • ドリップ灌漑およびドリップ・ファーティゲイションが露地ピーマンの収量に及ぼす影響 (竹下正哲・中西一弘・高橋丈博・蓑原隆・前山利幸・戸祭克・益満ひろみ・後藤元)
    • 佐渡における乾シイタケ栽培の実態と課題 (津野佑規・長谷川英夫・水島智史)
    • 平成30年度秋季大会に参加して (藤波俊亮)
  • 本会記事
    • 平成30年度第2回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 賛助会員名簿
  • 農作業研究 第53巻 総目次
  • 編集後記

第53巻第3号(通巻第176号) 平成30年9月

  • 会告
    • 日本農学賞候補者の推薦受付について
    • 日本農業工学会賞候補者の推薦受付について
    • 2019年度 春季大会(第55回通常総会・第54回講演会)開催について
    • 2019年度 春季大会におけるテーマセッション課題募集について
    • 正誤表
  • カレンダー
  • 巻頭言
    • 大規模畑作で期待されるロボットトラクタ作業 (佐藤禎稔)
  • 総説
    • カバークロップを利用した農作業体系と耕地生態系 (小松﨑将一)
  • 研究論文
    • 近接リモートセンシングを用いたダイズ地上部乾物重の推定法の高精度化 -クロロフィル指数と日射量を組み合わせた新しい植生指数- (村田資治・山下紘輝・足立紘一・日田早織・稲村達也)
  • 研究報文
    • 青森在来エダマメ「毛豆」の摘芯栽培による機械収穫精度の向上と経営評価 (佐々木大・野沢智裕・工藤忠之)
    • スィートソルガム栽培の有無と残渣の施用方法がウコン根茎の収量とクルクミン濃度におよぼす影響 (浅木直美・窪田俊仁・坂上伸生・岡田拓也・長谷川守文・磯野健雄・新田洋司)
  • 本会記事
    • 平成30年度第1回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 賛助会員名簿
  • 編集後記

第53巻第2号(通巻第175号) 平成30年6月(オンライン版:平成30年12月)

  • 巻頭言
    • 新たな運営体制による学会の発展を期して (東城清秀)
  • 会告
    • 新たな運営体制について
    • 2019~2020年度 評議員選挙の投票について
    • 平成30年度秋季大会の開催について
      シンポジウム-「大規模畑輪作におけるスマート農業による課題解決の取り組み」-
    • 2019年度春季大会(第55回通常総会・第54回講演会)開催について
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について(再掲)
  • カレンダー
  • 研究報文
  • 苦汁を添加した養液によるトマト低段栽培での収量と品質【英文】 (周 松嬰・芳野未央子・前嶋啓佑・小谷博光・アニ・ウィディアストゥティ・八本功・鵜沼光岳・三須英幸・江口ゆみ・鴨田春菜・篠原麻希・渡邉智文・佐藤達雄)
    要旨
    トマト養液栽培において養液の電気伝導度(EC)を上昇させることにより,果実糖度の上昇を効率的に行うことができる.海水由来の苦汁と粗塩(NaCl)がEC上昇や果実収量ならびにトマトの品質改善に及ぼす効果を一段ならびに二段栽培で比較した.苦汁は製塩過程で生じる副産物であり利用が簡単で安価に入手することができる.特に苦汁は液体で流通されるため,溶解作業が必要な塩による高EC処理より便利である.春まき夏どり栽培と夏まき秋どり栽培が1回ずつ行われた.第1花房の最も大きい果実が直径4 cmに肥大したときに高EC処理(苦汁または粗塩)を開始した.2回の実験とも,苦汁処理の収量ならびに品質は粗塩処理と同等であった.養液への苦汁の添加後,養液のECは粗塩処理よりも速やかに上昇した.この原因は不明であるが,両者のイオン組成の違いに起因する可能性が考えられた.トマトの生育に対して特に差異は見受けられなかった.以上のことからトマト低段栽培における高糖度化を目的とした苦汁の添加は,実用的,効果的に利用しうると考えられた.
    ウンシュウミカンにおける水噴射ノズルを使った摘蕾方法【英文】 (市ノ木山浩道・奥田均)
    要旨
    水噴射ノズルを使った新たな摘蕾方法を開発した.着果過多が予想される樹齢32年生の‘興津早生’を用い,発芽期から1日後の3月31日(蕾横径1.24 mm),7日後の4月6日(蕾横径2.30 mm),16日後の4月15日(蕾横径2.86 mm),24日後の4月23日(蕾横径4.99 mm)に側枝別の摘蕾を水噴射ノズルで行った.水噴射時の噴出水量が異なる2種類のノズル(WJN1:ジェット・ボリューム:43.8 mL/秒;WJN2:29.3 mL/秒)を使って摘蕾に必要な時間と除去率を比較検討した.その結果,WJN1は芽の除去率がWJN2より優れた.蕾の除去作業時間は,発芽期から1日後の蕾横径1.24 mm処理では水噴射ノズル1で手作業の49.5%と少なく,除去率は96%であった.発芽後の日数が経過するほど蕾の花梗が硬くなるため,除去には時間がかかった.これらのことから水噴射ノズルを使った摘蕾は発芽後7日(蕾横径2.3 mm)までの処理が有効と考えられた.発芽後7日以降は処理時間に差は認められなかった.このことから水噴射ノズルを使った摘蕾は,発芽直後の小さな芽を除去するためには有効であると考えられた.
    ヒマワリ生育過程における炭素及び窒素の蓄積特性と作物残渣の利用 (東城清秀・帖佐直・須永薫子)
    要旨
    ヒマワリは油糧作物として日本全国で栽培されているが,子実収穫後に残る茎などはあまり活用されていない.近年では,ヒマワリは景観形成作物や土壌中の余剰養分の吸い上げを目的としたクリーニングクロップとしても注目されている.本研究では,ヒマワリの生育過程における炭素と窒素の蓄積を観察してその特性を明らかにするとともに,作物残渣の利用性について検討することを目的とした.東京農工大学附属農場において,3 m×3 mの試験区に栽植密度と施肥条件を変えてヒマワリを栽培して生育過程を観察するとともに,開花期,開花終期および収穫期でヒマワリを採取して分析試料を得た.ヒマワリの部位別に乾物重,発熱量,炭素および窒素の含有率を測定し,その推移を解析した.その結果,作物残渣となる茎葉部は子実とほぼ同等の発熱量を有すること,栽植密度が高いとバイオマスが増大すること,吸収される窒素の約1/3は登熟期に子実へ集積されることが分かった.
    • 平成30年度春季大会に参加して (吉田聖)
  • 第53回講演会・講演要旨 (平成30年3月)
  • 大会報告
    • 平成30年度春季大会テーマセッションの記録
  • 本会記事
    • 平成29年度第4回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 平成30年度評議員会議事録
    • 平成30年度 第54回総会議事録
    • 田島淳氏が日本農業工学会賞受賞,林久喜氏と岩崎浩一氏がフェロー顕彰
    • 賛助会員名簿
  • 編集後記

第53巻第1号(通巻第174号) 平成30年3月(オンライン版:平成30年9月)

  • 会告
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について
    • 平成30年度秋季大会の開催について
      シンポジウム-「大規模畑輪作におけるスマート農業による課題解決の取り組み(仮題)」-
  • カレンダー
  • 本会記事Ⅰ
    • 平成29年度優秀地域貢献賞の選考結果について
    • 平成30年度日本農作業学会学術賞選考結果について
    • 平成30年度日本農作業学会功績賞選考結果について
  • 総説
    • 北海道畑作の大規模化における課題と今後の展望 (辻博之)
  • 研究論文
  • アフガニスタン・バーミヤンにおける1990年から2015年の土地被覆変化 -土壌劣化と土地管理の不足-【英文】 (Abdul Aziz Mohibbi・Hasi Bagan・稲冨素子・木下嗣基)
    要旨
    土地管理の不足と紛争は,アフガニスタンのバーミヤンの生態系に大きなストレスを与えた.本研究では,1990 年から2015 年までのバーミヤンの土地被覆の時空間的変化と土地管理の問題を評価した.そのために,97 人の住民を対象にアンケート調査を行うとともに,現場調査を実施した.住民へのアンケートの結果,88 人が土地被覆が30 年で変わったと述べた.回答者らは,人口増加,資源の過度使用,過放牧,薪炭材収穫,干ばつおよび管理の理由を指摘した.政府組織やNGO とのインタビューの結果,植生の覆土の除去,過放牧,自然資源への依存,飼料収集,急な斜面での栽培が原因で,土地の劣化が発生しているとの結果を得た.また,1990 年から2015 年のランドサット画像を用いて土地被覆マップを作成した.放牧地は裸地と居住地の急速な増加に伴って60.2%から37.9%に減少した.このことは,人為的な影響が周囲の生態系に影響を与えたことを示唆している. 0.81 km2 のグリッドにおける土地被覆変化の統計的比較では,放牧地の減少が裸地のそれと強く負の相関があることを示した.また,バーミヤン市周辺では,居住地の拡大は農耕地の拡大と強く正の相関がある一方,裸地の増加とは負の相関が見られた.これらにより,長期の紛争,土地管理の不足,および社会経済的変化が土地被覆に影響を与えたことを示した.
  • 研究報文
  • 加工用ホウレンソウの刈取再生栽培法における品種と栽培条件が収量および外観品質に及ぼす影響 (鈴木崇之・鎌田えりか・石井孝典・安達克樹・新美洋)
    要旨
    日本の加工用ホウレンソウ栽培では,機械収穫が導入されつつある.そこで,日本で最大の産地である宮崎県内において,再生草を利用する刈取再生栽培法における,品種および栽培条件(1番草収穫後の追肥および1 番草収穫時期)が収量および外観品質に及ぼす影響について検討した.収穫時の地上部全重については,品種間に有意な差は認められなかったが,‘サプライズ7’に比べ,立性の‘クロノス’では,地上部全重に対する収穫葉重の割合が1 番草,追肥を行った場合の2 番草(再生草)とも高かった.‘クロノス’の栽培では,1 番草収穫後の追肥により2 番草の収穫葉重は大きくなり,正品率は高くなった.また,生育期間が長いほど,2 番草の収穫葉重は大きくなった.従って,刈取再生栽培を導入した機械収穫体系では,立性の品種を栽培し,1 番草は草丈40 cm 程度に達したら速やかに収穫して2 番草の生育期間を確保し,1 番草収穫後に追肥を行うことが望ましい.
    ギニアグラスとクロタラリアの混作によるバイオマスと土壌窒素動態への影響 (岩崎明・小松﨑将一)
    要旨
    夏作カバークロップとしてイネ科やマメ科の作物が単独に用いられる場面が多いが,これらの混作による効果はほとんど検討されていない.本研究は茨城大学農学部附属フィールドサイエンス教育研究センター内圃場において,夏作カバークロップの混作を行いバイオマス生産と窒素溶脱への効果の比較を行った.試験区はギニアグラス(Panicum maximum Jacq. 品種:ナツカゼ)とクロタラリア・スペクタビリス(Crotalaria spectabilis Roth. 品種:ネマクリーン)をそれぞれの慣行の播種量を100 として,ギニアグラス:クロタラリアの比率を変え設計を行った.処理区は「100:0(ギニアグラス単作区)」・「75:25」・「50:50」・「25:75」・「0:100(クロタラリア単作区)」・「0:0(裸地区)」の6 処理を3 反復とし乱塊法により設置した.2016 年はカバークロップの地上部バイオマスやC / N 比,地上部炭素含有量はギニアグラス単作区で最も高くなり,混作ではやや低下した.2017 年ではカバークロップの地上部バイオマスはギニアグラス単作区と混作区の75:25 区は同等でありC / N 比は単作区より混作で低下することが認められた.また土壌硝酸態窒素濃度において,両年ともにカバークロップの作付により有意な減少が認められた.2年間の結果から,夏作カバークロップの混作により単作に比べて同等の圃場に還元できるバイオマス生産量を確保し,かつC / N 比を低減させて,良質な有機物供給が可能であることが明らかとなった.
    • 平成29年度秋季大会に参加して (緒形百合恵)
    • 平成29年度秋季大会に参加して (佐藤祐也)
  • 本会記事Ⅱ
    • 平成29年度第3回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 賛助会員名簿
  • 第54回通常総会・第53回講演会プログラム
  • 編集後記

第52巻 2017年(平成29年)発行

第52巻第4号(通巻第173号) 平成29年12月(オンライン版:平成30年6月)

  • 会告
    • 平成30年度春季大会(第54回通常総会・第53回講演会)開催について
    • 平成30年度秋季大会の開催について
      シンポジウム-「大規模畑輪作におけるスマート農業による課題解決の取り組み(仮題)」-
  • カレンダー
  • 総説
    • 平成28年熊本地震が農地および作物に及ぼした影響 (岡本正弘)
  • 研究論文
  • 圃場で液肥が調製できる水稲用流入施肥装置の開発 (森拓也・真壁周平・飯島智浩・平田雅敏・横田修一・重田一人)
    要旨
    安価な尿素を使用して圃場で液肥を調製でき,散布精度の高い水稲用の水口流入施肥装置を開発した.本装置を使用した流入施肥において,液肥の滴下流量および窒素濃度は,施肥開始から施肥終了まで,ほぼ一定に推移した.本装置を使用した流入施肥の現地実証試験では,施肥後の水稲の葉色,坪刈収量は,背負式動力散布機を使用した硫安の慣行追肥区と同程度であった.流入施肥において良好な散布精度を確保するためには,施肥前に田面が露出する程度まで完全に落水しておくとともに,施肥終了後は灌漑水を止水する必要があることを明らかにした.
  • 研究報文
  • 水田地帯におけるトウモロコシ子実の収穫乾燥工程の策定と所要エネルギーの推定 (稲野一郎・石井耕太・木村義彰・竹中秀行)
    要旨
    水田地帯におけるトウモロコシ子実の収穫作業能率,乾燥速度から,収穫機稼働可能日数を計算し,収穫乾燥総所要エネルギーを推定した.収穫には現有の普通コンバインにコーンヘッダを装着し,乾燥には米麦の乾燥に使用している80石遠赤外線乾燥機を用いた.生産法人が所有する乾燥機を3台使用する条件と4戸の農家が所有する乾燥機を利用する条件で作業工程をシミュレーションすると,収穫乾燥工程に要する日数が2日から1日に変わる時の子実水分が異なった.収穫開始日の子実水分と収穫乾燥総所要エネルギーの関係から,子実水分が30%以下では収穫乾燥総所要エネルギーは増加するが,収穫乾燥工程が2日単位から1日単位に変わる子実水分以下では,収穫乾燥総所要エネルギーは低下した.
    農作業体験用途に向けたコンテナ栽培での好適ブドウ品種の選定 (細見彰洋)
    要旨
    農作業体験に適したブドウ品種を選定するため,栽培作業の単純化や早期結実が期待できる雨除けコンテナ栽培で,果実品質よりも栽培の平易さと結実の安定性に重点を置いて品種比較を行った.ブドウ‘キャンベル・アーリー’,‘レッドポート’,‘スチューベン’,‘マスカット・ベーリーA’,‘ネオ・マスカット’の5品種うち,生育が均一で樹形形成や枝梢管作業が容易であったのが‘レッドポート’と‘スチューベン’,比較的弱勢で作業量の少ないのが‘マスカット・ベーリーA’であった.果実生産性では,‘ネオ・マスカット’以外は2年生から確実に着房したが,中でも,‘スチューベン’は花振いが少なく,整った房を得やすい点で優れていた.病害虫では ‘キャンベル・アーリー’,‘レッドポート’,‘スチューベン’は虫害(ブドウスカシバ,ブドウスカシクロバ,フタテンヒメヨコバイ,マメコガネ等)の防除を要した.これに対して,‘マスカット・ベーリーA’と‘ネオ・マスカット’は病害(べと病,黒とう病)が発生したものの,雨除けのためか蔓延は軽微で,防除は不要であった.病害が少ない雨除け栽培を前提にした場合は,両品種の方が防除作業は少なく済むと考えられた.以上から,供試ブドウ品種を栽培作業の簡便性と果実生産性から総合的に評価した結果,供試の中で,経験に乏しい栽培者が取り組み易い品種は‘スチューベン’と‘マスカット・ベーリーA’であった.
  • 解説
    • 農作業基本オントロジーを利用した農作業データ集有効活用の提案 (竹崎あかね・朱成敏・武田英明・吉田智一)
  • 平成29年度秋季大会報告
  • 本会記事
    • 平成29年度第2回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 学会誌掲載記事正誤表
    • 賛助会員名簿
  • 農作業研究 第52巻 総目次
  • 編集後記

第52巻第3号(通巻第172号) 平成29年9月(オンライン版:平成30年3月)

  • 会告
    • 日本農学賞候補者の推薦受付について
    • 日本農業工学会賞候補者の推薦受付について
    • 平成29年度秋季大会の開催について
      シンポジウム-「地域農産物を活かした農業活性化への取り組み」-
    • 平成30年度春季大会(第54回通常総会・第53回講演会)開催について
    • 平成30年度春季大会におけるテーマセッション課題募集について
  • カレンダー
  • 巻頭言
    • 農作業研究に国際化の視点を (荒木肇)
  • 研究論文
  • スタブルカルチと縦軸駆動ハローを用いた播種床造成による水稲無代かき湛水直播栽培の特徴と水稲生育 (進藤勇人・齋藤雅憲・佐々木景司・佐藤雄幸・片平光彦)
    要旨
    本報では水稲湛水直播栽培における耕うん,整地作業を効率化するため,スタブルカルチと縦軸駆動ハローで播種床を造成し,湛水後落水したほ場での播種を乗用高精度湛水直播機で行う無代かき湛水直播栽培を検討した.試験は4年間実施し,播種床造成での作業能率と燃料消費量,水稲の生育と収量,玄米品質を調査した.播種床造成作業ではスタブルカルチによる耕起と縦軸駆動ハローによる砕土・整地で63.4~73.5%の砕土率が確保できた.造成された播種床は3~4日間浅水の湛水管理をして土壌を軟らかくすることで,乗用高精度湛水条播機により過酸化カルシウム粉粒剤粉衣種子を播種できた.無代かき区の播種床造成では,同一トラクタで行った代かき区と比較して作業時間で平均41%,燃料消費量は平均26%減少した.無代かき区の苗立ち率は平均71.7%で代かき区よりやや高く,十分な苗立ち本数が得られた.無代かき区は中干し時の土壌水分の低下が速く,無効分げつの発生が少ないことで有効茎歩合が高くなり,代かき区と同等以上の穂数が確保された.無代かき区の精玄米収量は代かき区と同等であったが,玄米タンパク質含有率はやや低かった.
  • 研究報文
  • 北海道道央部の2つの春コムギ栽培体系におけるヘアリーベッチ導入による窒素肥料の削減 (平田聡之・野口大輔・荒木肇)
    要旨
    北海道道央部の春コムギ栽培において,8月のヘアリーベッチ播種後のコムギの減窒素肥料栽培の可能性について2015年および2016年の圃場試験により検討した.通常の4月にコムギを播種する慣行体系と収穫前年の初冬に播種する初冬播体系において,ヘアリーベッチを導入し早春の窒素施肥量を標準の半量とした施肥体系と慣行の施肥体系の2処理間で春コムギの収量関連形質および生育特性を比較した.コムギ播種前のヘアリーベッチの乾物重は,2014年の慣行体系における250.1 g/m2から2015年の初冬播体系における50.1 g/m2までの値を示した.コムギの子実乾物重は,2015年の初冬播体系で最も高い値を示したが,両栽培体系ともヘアリーベッチ導入により窒素施肥量を半減した処理と慣行施肥処理との間に差異は認められなかった.子実内の窒素含有率は,2.29~2.52%の値を示し,春コムギの子実品質として充分であった.しかしながら,初冬播体系のヘアリーベッチを導入した試験区において,草丈の伸張が生育後期で抑制され,コムギの登熟期間における窒素不足が生じる可能性も示唆された.本研究において,慣行体系と初冬播体系の双方において,ヘアリーベッチを導入することで早春の窒素肥料を半減できることが示された.
  • 情報
    • 第37回CIOSTA参加記 (東城清秀)
  • 本会記事
    • 平成29年度第1回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 賛助会員名簿
  • 編集後記

第52巻第2号(通巻第171号) 平成29年6月(オンライン版:平成29年12月)

  • 会告
    • 平成29年度秋季大会の開催について
      シンポジウム-「地域農産物を活かした農業活性化への取り組み」-
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 地域における農作業研究成果の公表促進支援について
  • カレンダー
  • 巻頭言
    • 学会が期待する会員の力 (林久喜)
  • 研究報文
  • 露間引き作業の時間短縮のための二段ベルト式狭条点播機の開発 (松尾健太郎・屋代幹雄)
    要旨
    野菜の直播栽培における間引作業の労働時間を削減することを目的に,一ヵ所に2粒の種子を狭い間隔で2列播種することができる二段ベルト式狭条点播機を開発し,ダイコン栽培における間引作業の労働時間の削減効果と収穫物に与える影響を検討した.本機によって,一ヵ所に2粒を進行方向のずれが19 mm,横方向間隔が35 mmで播種でき,成長した2本の若芽から間引する若芽を容易に識別できる間隔に播種することができた.この播種状態において間引作業の労働時間は2.3 s/株で,真空式播種機の場合と比較して1.9 s/株短くなった.ダイコンの収穫時の根重は1274 gで,他の播種機と比較して有意な差はなかった.以上のことから開発した二段ベルト式狭条点播機は,ダイコン栽培において収量を低下させることなく間引作業の労働時間を大幅に短縮できると考えられた.
    水田の土壌状態に基づいたプラウ耕鎮圧体系乾田直播栽培の適用性 (冠秀昭・関矢博幸・大谷隆二)
    要旨
    プラウ耕鎮圧体系乾田直播栽培の適用可能な条件を明らかにするため,5地域20筆の圃場において,鎮圧処理方法の異なる乾田直播栽培を行い,土壌状態,土層の飽和透水係数および減水深を調査した.鎮圧処理として,播種後に鎮圧を1回のみ行う低鎮圧処理,2回以上鎮圧を行う高鎮圧処理,および無鎮圧の圃場を設定して,鎮圧処理による土層の透水性の違いと減水深の関係性を解析した.土層内にグライ層が確認された圃場では,低鎮圧処理においても減水深が適正値である20 mm/d以下となりやすく,乾田直播が容易に適用可能な条件であることが明らかになった.地表下3 cmまたは5 cmから採取した土壌と下層土の飽和透水係数と減水深の関係を考察した結果,下層の透水性が高まり,止水層が存在しない圃場は,2回以上の鎮圧を行い地表付近の透水性を低下させることにより,減水深が低減していることが示された.このように地表付近と下層土の飽和透水係数を横軸と縦軸に配置し,2軸マトリクスで各圃場を分類することで,下層の透水性が高い場合は十分に鎮圧することが必要であることなど,鎮圧の必要性および排水機能の必要性を判断することが可能であり,乾田直播栽培の適用性の判定に有用であると考えられた.
  • 資料
    • ケイ酸資材を混合した育苗培土が春撒き野菜苗の品質に及ぼす影響 (高柳春希・西田隆義)
  • 解説
    • 農作業研究における雑草管理を考える (塩谷哲夫)
    • 平成29年度春季大会に参加して (藤原俊亮)
    • 平成29年度春季大会に参加して (桐山水響)
  • 第52回講演会・講演要旨(平成29年3月)
  • 本会記事
    • 平成28年度第4回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 平成29年度評議員会議事録
    • 平成29年度第53回総会議事録
    • 賛助会員名簿
  • 編集後記

第52巻第1号(通巻第170号) 平成29年3月(オンライン版:平成29年9月)

  • 会告
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について
    • 平成29年度秋季大会の開催について シンポジウム-「地域農産物を活かした農業活性化への取り組み」-
  • カレンダー
  • 本会記事Ⅰ
    • 平成28年度優秀地域貢献賞候補者の選考結果について
    • 平成29年度日本農作業学会学術奨励賞 選考結果について
  • 巻頭言
    • 学会活動の魅力とは? (田島淳)
  • 研究論文
  • 沖縄県南北大東島におけるサトウキビの収穫・運搬作業体系のダウンサイジングに関する研究 -現行のサトウキビ収穫・運搬作業の類型化と実作業量の推定- (赤地徹・吉原徹・前田建二郎・玉城麿・宮平守邦・正田守幸・安仁屋政竜・亀山健太・井上英二)
    要旨
    沖縄県南北大東島では,サトウキビ収穫機や運搬用トラックが老朽化し代替時期を迎えている.これを契機に大型化した機械化体系を見直すなど,現地では作業機のダウンサイジングも念頭に種々の試みが行われている.筆者らは,南北大東島における効率的かつ持続的な収穫・運搬作業体系モデルを開発・策定することを目的にまず基本的な作業情報を整理し,現行の収穫・運搬作業を組み合わせた主要な作業体系について類型化を行った.その結果,南北大東島では大型収穫機を中心にした1類型,中型収穫機の6類型,小型収穫機の1類型の計8類型に分類された.また,運搬トラックが収穫機の伴走車を兼ねるなど収穫作業と運搬作業が相互に影響し合う類型について,製糖工場での原料受入れデータから実作業量を推定した結果,大型収穫機を中心にした類型で19.1~28.0 a/h,中型収穫機の類型で13.3~15.2 a/hであった.なお,収穫ほ場でのタイムスタディによる作業量の実測値にGPSデータを基にした運搬トラックの稼働状況の解析結果から得られた実作業率を加味しながら実作業量の推定値を検証し,本推定方法が実用上妥当であることを確認した.
  • 研究報文
  • 露地夏秋どりミニトマトのネット誘引無整枝栽培における作業性 (元木悟・北條怜子・染谷美和・藤尾拓也)
    要旨
    露地夏秋どりミニトマトの新栽培法である「ネット誘引無整枝栽培」(通称:ソバージュ栽培,以下,同じ)は全国的に普及し始めているものの,作業性については主枝1本仕立て栽培(以下,慣行栽培)と比較検討した報告がない.そこで本研究では,ソバージュ栽培の栽培体系の確立を目指し,ソバージュ栽培と慣行栽培の各作業工程における作業時間および作業姿勢および収量を比較した.その結果,ソバージュ栽培では,慣行栽培に比べて収穫作業以外,特に誘引および薬剤散布の作業時間を大幅に短縮できた.しかし,ソバージュ栽培は,ミニトマトの生産拡大の課題になっている収穫作業が全作業工程の90%を占め,慣行栽培に比べて顕著に高かった.ソバージュ栽培は,慣行栽培に比べて栽植密度が低いにも関わらず,単位面積当たりの収量は同等以上であり,夏季の高温強日射時の影響を受ける8~9月の出荷が可能であった.そのため,ソバージュ栽培は,栽培管理の省力化や軽作業化が図れるミニトマトの露地夏秋どりの新栽培法として期待できるものの,さらなる作業時間短縮のためには,作業時間の大半を占める収穫方法の改善が必要であると考えられた.
  • 資料
    • 中国におけるアスパラガスの生産動向と栽培体系【英文】 (ザン ユーピン・荒木肇)
    • 2014年度に新潟県で発生したトラクタ転覆・墜落事故の傾向分析 (津野佑規・長谷川英夫)
  • 本会記事Ⅱ
    • 日本農作業学会平成28年度第3回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 賛助会員名簿
  • 第53回通常総会・第52回講演会プログラム
  • 編集後記

第51巻 2016年(平成28年)発行

第51巻第4号(通巻第169号) 平成28年12月(オンライン版:平成29年6月)

  • 会告
    • 平成29年度 春季大会(第53回通常総会・第52回講演会)開催について
    • 平成29年度 春季大会におけるテーマセッション課題募集について
  • カレンダー
  • 巻頭言
    • 「農作業研究」を通じて社会貢献へ (小松﨑将一)
  • 研究報文
  • 国内製ポテトプランタによるバレイショの千鳥植え技術の検討 (国立卓生・辻博之・澁谷幸憲・若林勝史)
    要旨
    既存の国内製ポテトプランタで実施可能な千鳥植え技術を開発し,開発機の植付け性能を検討するとともに,改良を加えた培土用のロータリヒラーと組み合わせて千鳥植え栽培を行い,収量性を検討した.国内製ポテトプランタの千鳥植え栽培用への改良では,羽根によって種子を植付け方向の左右交互に振り分ける装置を開発して種子繰り出し装置の下に設置し,既存の植付け用溝切り器,鎮圧ローラ,覆土ディスク,およびその取付け部を改良した.種子振り分け装置は自重による半自動用と接地輪駆動の全自動用を開発した.ロータリヒラーは千鳥植え後の種子と接触しないように,爪を再配置した.施肥条間は慣行法の750 mmに対して千鳥植え栽培では660 mmとし,施肥条を挟んで150 mm幅で植付けし,植付け直後に1500 mm幅毎に施肥2条,植付け4列分をまとめて培土した.試験の結果,開発した千鳥植えポテトプランタは,半自動用,全自動を問わず,通常の作業速度3~4 km/hでの植付けが可能であった.植付け性能は全自動用では慣行法に匹敵したが,半自動用では慣行法よりも低下した.開発技術では一株あたりの塊茎数が増え,60 g以上の規格内収量は慣行法よりも高まったが,その傾向が顕著となると塊茎が小粒化し,規格内収量が低くなる場合があった.また,ロータリヒラーによる培土では爪が種子に接触して塊茎の緑化が増える課題があった.
    乗用管理機搭載型ブームスプレーヤにおける散布高さによる散布むらの検証 (水上智道・吉田隆延・宮原佳彦)
    要旨
    食料の安定的供給を図るうえで,農作物の病害虫防除が必要である.そのため,乗用管理機搭載型ブームスプレーヤを用いた防除方法が普及しつつある.防除効果を十分に発揮するためには,農薬を均一にむらなく散布することが重要である.そこで,乗用管理機搭載型ブームスプレーヤのブーム高さが落下量および付着むらに及ぼす影響について調査した.高さ60 mmの木製の障害物を設置した障害物設置路面を走行速度0.5 m/sおよび1.0 m/sで,障害物を乗り越しながら水を散布すると,落下量および付着にむらが生じ,四分位範囲(IQR)は液滴落下量分布試験で351%,付着むら試験で7%から27%に増加した.さらに付着性を評価するために行った室内試験結果において,ガンマ分布を仮定した一般化線形モデルを適用し,散布高さと付着の関係性について解析した.これらの結果から,乗用管理機搭載型ブームスプレーヤの付着むらの原因の1つが散布高さであることが示唆された.よって,乗用管理機搭載型ブームスプレーヤの挙動に応じたブーム垂直変位低減装置があれば,現行の防除作業よりも,さらに散布むらおよびドリフトの少ない防除作業の実現に寄与できると考えられる.
  • 解説
    • 熊本地震調査の概要 (東城清秀)
  • 平成28年度 秋季大会報告 (樋口泰浩)
    • 平成28年度秋季大会に参加して (藤森一真)
    • 平成28年度秋季大会に参加して (緒形百合恵)
    • 平成28年度秋季大会に参加して (藤井幹也)
    • 平成28年度秋季大会に参加して (蕪木嶺介)
    • “生業”の支援を忘れずに (松村修)
  • 本会記事
    • 日本農作業学会平成28年度第2回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 訃報
    • 賛助会員名簿
  • 農作業研究 第51巻 総目次
  • 編集後記

第51巻第3号(通巻第168号) 平成28年9月(オンライン版:平成29年3月)

  • 会告
    • 一斉配信メールの運用について
    • 春季大会および秋季大会の開催地について
    • 平成28年度 秋季大会の開催について
    • 平成29年度 春季大会(第53回通常総会・第52回講演会)開催について
    • 平成29年度 春季大会におけるテーマセッション課題募集について
  • カレンダー
  • 巻頭言
    • 農作業学への期待 (宮崎昌宏)
  • 研究論文
  • 花穂整形方法を異にするブドウ‘藤稔’の摘心と環状剥皮が果粒肥大,品質に及ぼす影響 (石川一憲・馬場正・藤澤弘幸・篠原卓・関達哉・山口正己)
    要旨
    花穂の整形位置を異にするブドウ‘藤稔’を用い,新梢の早期摘心と満開13日後および31日後の亜主枝基部への環状剥皮が果粒肥大や果実品質に及ぼす影響を検討した.環状剥皮は,花穂の整形位置を異にするいずれの果房も満開13日後剥皮で果粒肥大を高め,重い果房になった.また,満開31日後剥皮は糖度を高めた.一方,新梢摘心は,いずれの果房も房先摘心による果粒肥大促進等の効果は認められなかった.これらの結果から,花穂の整形位置を異にする‘藤稔’では,いずれの果房も満開約2週間後の環状剥皮処理で果粒肥大が促進されたことから,大粒果作出の安定した生産技術になることが示唆された.
  • 研究報文
  • 傾斜草地の耕うん作業 (伊吹俊彦・天羽弘一・渋谷岳・喜田環樹・住田憲俊・井上秀彦・阿部佳之・小島陽一郎・中尾誠司・池田俊朗・黒田将仁・栂村恭子)
    要旨
    草地更新が牧草への放射性物質吸収を抑制することが知られているが,傾斜草地では草地更新に必要な機械耕うんが困難である.そこで傾斜地耕うん作業を可能にするため,傾斜地での高い牽引性能および転倒に対する安定性・安全性が期待できる無線操縦のエンジン出力49.3 kW履帯トラクタを選定して,これに装着できる作業幅1.6 mのロータリを開発した.傾斜15°および25°の傾斜草地で開発機を用いた上り,等高線,下り方向の耕うん作業を行い,トラクタ履帯の滑り率,エンジン回転数,作業後の砕土程度の調査を行ってロータリ耕うんの適応性を検討した.その結果,15°および25°の草地での作業速度約0.45 m/s,耕深6~9 cmの耕うん条件で,作業方向に関わらずエンジン出力の不足やクローラの滑りによる走行の不安定性は認められず,放射性物質の吸収を抑制する目的の草地更新として必要な,砕土程度が高い耕うん作業を行えることが明らかとなった.
  • 資料
    • けい畔漏水と初中期一発処理剤の処理時期が水田雑草の防除に与える影響 (中井譲・鳥塚智・柴原藤善)
  • 本会記事
    • 評議員会報告
    • 日本農作業学会平成28年度第1回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 賛助会員名簿
  • 編集後記

第51巻第2号(通巻第167号) 平成28年6月(オンライン版:平成29年2月)

  • 会告
    • 平成28年度 秋季大会の開催について
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について(再掲)
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について(再掲)
  • カレンダー
  • 巻頭言
    • 会長就任挨拶 (東城清秀)
  • 研究論文
  • 4種類の電気柵による牧草地へのニホンジカ侵入防止効果の比較 (塚田英晴・石川圭介・喜田環樹・清水矩宏・竹内正彦・福江佑子・南正人・中村義男・花房泰子・深澤充・須山哲男)
    要旨
    牧草地へのシカの侵入を防止する効果を4種類の電気柵(ポリワイヤ2種類,高張力鋼線,網型ポリワイヤ)で比較した.センサカメラの撮影結果を用いて,牧草地へのシカ侵入日数の割合を電気柵無設置の対照区と比較した結果,4種類の電気柵はいずれも有意な侵入防止効果を示した.とりわけ高張力鋼線電気柵および網型ポリワイヤ電気柵が高い侵入防止効果を示し,網型ポリワイヤ電気柵では4年にわたり効果が持続した.この高い侵入防止効果には電気柵の強度および電牧線を設置する高さと位置が影響したと考えられる.長期使用による経済性を考慮すると,耐久性の高い高張力鋼線電気柵を選択し,最上段を140 cm以上の高さとし,45 cm程度の高さに張り出し線を設置する方法が推奨される.
  • 研究報文
  • 結果枝水平誘引と主枝更新剪定を施した主枝高設樹形イチジク‘桝井ドーフィン’の結果枝生育と果実生産性 (細見彰洋・磯部武志・三輪由佳)
    要旨
    凍害抑制や果実の着色向上効果のあるイチジクの主枝高設形一文字整枝(主枝高設)において,欠点とされる副梢の多発や果実のわい小化を抑制するうえで,望ましい結果枝の誘引法を調査した.その結果,水平誘引の結果枝は垂下誘引に比べてやや太く,副梢が多数発生した.着果数に差はなかったが,水平誘引では垂下誘引に比べて準先端部果が早く収穫でき,準基部果の一果重,先端部果の着色,糖度が優った.一方,主枝を前年の結果枝で毎年更新する剪定法(主枝更新剪定)を施した主枝高設樹を,従来の短梢剪定の一文字整枝樹(従来樹)と比較した.その結果,結果枝の生育(全長,基部径,先端径),副梢の生育(発生数,乾物重),着果数,推定収量,収穫日に明らかな差はなかった.しかし,従来樹に比べて,主枝高設+主枝更新剪定+垂下誘引とした2009年は,先端部果の着色が劣るものの基部果の一果重が優った.さらに,主枝高設+主枝更新剪定+水平誘引とした2010年は,基部果に加えて準基部果でも一果重が従来樹に優り,糖度も高かった.また,基部果と準基部果の着色が優り,いずれの節位でも品質の劣化はなかった.以上,主枝高設イチジクの結果枝は垂下より水平誘引の方が,やや副梢が生育し易いものの,一部の部位で,より早熟で高品質な果実が得られた.さらには,水平誘引と主枝更新剪定を併用させた主枝高設栽培には,従来樹より品質が劣る問題は発生せず,むしろ大きく,かつ糖度の高い果実が得られた.
    地下水位制御が春播きおよび夏播きニンジンの生育に及ぼす影響 (松尾健太郎・山本岳彦・山崎篤)
    要旨
    地下水位の制御が,春播き‘向陽2号’と夏播き‘はまべに五寸’ニンジンの生育に及ぼす影響を調査した.黒ボク土の露地圃場に幅70 cm,高さ12 cmの畝を立て,地下水位を制御して栽培した.地下水位の制御は,(1)播種直後から出芽まで地下水位を畝上面から–15 cmに維持する(播種直後),(2)‘播種直後’以降を–42 cmで維持する(高水位),(3)‘播種直後’以降を–52 cmで維持する(低水位),(4)‘播種直後’以降1ヶ月間–52 cmで維持する(低水位1ヶ月)および(5)無処理の方法で行った.その結果,出芽率は,春播きと夏播きともに無処理区よりも地下水位を制御した区で高かった.初期生育は,春播き夏播きともに播種直後区と無処理区より低水位区と高水位区で優れていた.春播き栽培において,収穫時の根重は,低水位区が無処理区よりも大きかった.高水位区は,土壌の気相率が低く湿害が発生した.また,低水位区は,大雨が降っても土壌水分の変動が小さいために,裂根の発生が少ないと考えられた.根形は,地下水位を制御しても生育後期が高温になると細長くなった.夏播き栽培においては,出芽後の1ヶ月間は地下水位を–52 cmで維持して,その後,降雨があった場合に無制御にすることで湿害を回避できると考えられた.裂根の発生は,いずれの地下水位制御方法でも少なかった.
    • 平成28 年度春季大会に参加しての感想 (今野真輔)
    • 平成28 年度春季大会に参加して (蕪木嶺介)
  • 第51回講演会・講演要旨(平成28年3月)
  • 本会記事
    • 日本農作業学会平成27年度第4回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 平成28年度評議員会議事録
    • 平成28年度(第52回)総会議事録
    • 賛助会員名簿
  • 編集後記

第51巻第1号(通巻第166号) 平成28年3月(オンライン版:平成28年10月)

  • 会告
    • 日本農作業学会学術賞・学術奨励賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会功績賞候補者の推薦依頼について
    • 日本農作業学会優秀地域貢献賞候補者の推薦依頼について
    • 平成28年度日本農作業学会学術奨励賞選考結果について
    • 平成28年度日本農作業学会功績賞受賞候補者の選定結果について
    • 平成27年度優秀地域貢献賞候補者の選考結果について
  • カレンダー
  • 研究論文
  • 春播性および秋播性の小麦品種における節間伸長開始期の指標としての偽茎長 (谷尾昌彦・建石邦夫・中園江・渡邊和洋)
    要旨
    日本温暖地における小麦の節間伸長開始期の指標を開発するため,東海地域において春播性および秋播性の計5 品種の茎頂発育ステージ,茎長および偽茎長( 地面から最上位展開葉の葉節までの長さ) の関係を解析した.茎頂発育の経時推移は品種によって異なり,早播栽培において秋播性品種は春播性品種に比べて二重隆起形成期( 栄養生長から生殖生長への転換期) およびその後の小花分化期が遅かった.茎頂発育ステージは茎長および偽茎長と密接に関係し,すべての品種において,節間伸長開始は小花分化期に起こり,その時の偽茎長は約5 cm であった.したがって,日本温暖地の小麦栽培において,偽茎長は節間伸長開始期の指標として有用であると考えられた.
  • 研究報文
  • 新たに開発したホーラーがアスパラガスの定植における作業性に及ぼす影響 (清水佑・松永邦則・浦上敦子・柘植一希・山口貴之・元木悟)
    要旨
    著者らは,アスパラガスの定植において,セル成型苗からポット苗への鉢上げせずに,セル成型苗を直接圃場に定植する新たなホーラーを開発した.アスパラガスの伏せ込み促成栽培において,そのホーラーを用いてセル成型苗のまま直接圃場に定植する新規法と,慣行のホーラーを用いてポット苗を定植する慣行法とを比較し,定植作業の改善効果とアスパラガスの収量の指標となる株養成量を調査した.その結果,新規法は,慣行法に比べて,初心者,習熟者ともに,アスパラガスの定植作業時間が有意に短縮された.OWAS法を用いた作業姿勢の評価では,AC(アクションカテゴリー)の発生回数および発生割合の結果から,習熟者においては,新規法が慣行法に比べてアスパラガスの定植作業姿勢を改善できた.一方,初心者においては,ACの発生割合で定植作業姿勢の改善効果が見られなかったものの,ACの発生回数では改善効果が見られた.アスパラガスの定植作業時間が短縮されたことを考慮すると,初心者においても,新規法が慣行法に比べて作業負担は低いものと考えられる.また,株養成量では,新規法は,慣行法に比べて,育苗日数が短く,小さなセル成型苗を定植したにも関わらず,新規法と慣行法との間に有意差がなかったことから,ポット苗を定植する慣行法と同等の収量が得られるものと考えられた.
    高冷地におけるソルガムのすき込み時期の違いが後作のキャベツの生育・収量に及ぼす影響 (畠中洸・岡部繭子・春日重光)
    要旨
    長野県の高冷地に位置する野辺山地域では葉物野菜の連作障害が問題となっており,耕種的対策が課題である.本試験では連作障害回避を目的としたソルガムの緑肥利用におけるすき込み適期について,作業性,ソルガムの乾物収量,すき込み後の分解程度および後作のキャベツの栽培・収量性の観点から検討した.すき込み時の作業性は播種後46日目にすき込んだ区(46日区)に比べ,78日目にすき込んだ区(78日区)および122日目にすき込んだ区(122日区)が大きく劣り,さらに,翌年のキャベツ栽培におけるマルチ敷設時の作業性は122日区が他の試験区より劣った.ソルガムの乾物収量は78日区および122日区が同程度であったが,すき込み後の分解は122日区が他の試験区より大きく遅れた.これは122日区のソルガムの乾物率が他の試験区より有意に高かったことが要因の一つと推察された.後作のキャベツの収量では46日区が全作期において最も多収を示した.78日区は品種「信州868」を使用した作期では生育遅延が認められたものの平均結球重は出荷の基準重量に達した.しかし品種「輝吉」を使用した作期では減収した.122日区は全ての作期で基準重量に達しなかった.以上の結果から,高冷地における緑肥用ソルガムの播種後78日目および122日目のすき込みは,作業性,キャベツの収量性の両面から46日目のすき込みに劣ることが明らかとなった.
  • 資料
    • 雑草発生量と水稲収量に及ぼす除草作業法の影響;滋賀県の有機栽培農家の事例から (中井譲)
  • 本会記事
    • 日本農作業学会平成27年度第3回常任幹事会議事録
    • 会員動静
    • 賛助会員名簿
  • 編集後記
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